2017年10月23日月曜日

東急ハンズ過労死と小池百合子知事の希望演説

希望の党代表の小池百合子・東京都知事は2017年10月15日、東京都町田市で東急ハンズには希望が足りないと演説した。東急不動産だまし売り裁判原告としては小池知事に同意見である。

東急ハンズは心斎橋店でパワハラ過労死事件を起こした(林田力『東急不動産だまし売り裁判20東急ハンズ過労死』Amazon Kindle)。心斎橋店の店員は「しんどい、もう限界や」との言葉を遺して亡くなった。東急ハンズはブラック企業大賞にもノミネートされた。この意味でも東急ハンズに希望が足りないとの指摘は正当である。

東急ハンズはTwitterで「東急ハンズでは、お客様の「希望」を叶えたいと、スタッフ一同がんばっています」と反応した。希望がないとの指摘に「頑張っている」と答える。根性論の特殊日本的精神論の世界である。過労死事件を起こす会社らしい反応である。頑張れば何とかなるという発想が過労死を生む。

小池知事の演説は以下の内容である。「この東急ハンズにもニトリにもいろんなもの売ってますけれども、ちょっと足りないのが希望。昨日よりも今日、今日よりも明日がきっといいと、そうみんなが思える希望」

もともと小池知事は2016年10月30日に小池百合子政経塾「希望の塾」開塾式で「東京には何でもある、ただ希望だけがない」と発言している。この発言自体も村上龍『希望の国のエクソダス』が元ネタである。過剰反応するような発言ではない。

文脈的には物質が溢れていても希望がないとの指摘であり、真っ当なものである。一億総中流的なものを豊かさと見る固定観念への強烈なアンチテーゼになる。このような思想は反体制を標榜するような政治勢力からも出てこなかった。自称反体制も体制内批判派に過ぎず、就職氷河期のような新しい問題に対して既得権維持で振る舞う傾向がある。私が小池知事の改革に期待した理由は、ここにある。私の判断が間違っていなかったことを再確認した。

小池知事は演説で安倍一強を批判したが、実は安倍晋三首相と東急には徒ならぬ関係を感じさせる。東急グループのキャッチコピーは「美しい時代へ」、安倍首相の著書タイトルが「美しい国へ」である。安倍首相は昭恵夫人とともに東急百貨店本店で買い物をしている。

安倍首相は公邸入りした2006年11月26日には東急ハンズでシャンプーや入浴剤、セロハンテープ、筆ペンを購入した。これは「東急ハンズなどで文具、入浴剤などの日用品を買いそろえるなどし、庶民派をアピールした」と報道された(「安倍首相が買い物パフォーマンス」スポニチ2006年11月27日)。東急ハンズでの買い物で庶民派を気取れると思っている神経が信じ難い。庶民は日用品を購入するために東急ハンズに行くことはない。

また、東急ハンズと一緒に希望が足りないと挙げられたニトリは安倍晋三首相らに総額2170万円もの政治献金をしている(鈴木祐太「あのニトリが安倍首相ら閣僚6人に連続献金 11年から4年間で総額2170万円」アジアプレス・ネットワーク2016年6月21日)。
http://www.hayariki.net/poli/tochiji2.html
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■ 林田力 Hayashida Riki
■■ 『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者
■■◆ http://www.hayariki.net/

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