2017年10月30日月曜日

佼成病院裁判の上告理由書提出

佼成病院裁判の上告人は2017年10月25日に上告理由書を提出した。上告理由書では最善の医療を受ける権利や自己決定権の侵害、審理不尽を主張する。

憲法13条及び憲法25条違反(最善の医療を受ける権利)

最高裁昭和44年2月6日判決(最高裁判所民事判例集23巻2号195頁)「医師としては、患者の病状に十分注意しその治療方法の内容および程度等については診療当時の医学的知識にもとづきその効果と副作用などすべての事情を考慮し、万全の注意を払って、その治療を実施しなければならない」

尚、多くの病院では患者の権利章典を定め、そこで最善の医療を受ける権利を保障している。北関東循環器病院「患者は、適切で最善の医療を受ける権利があります」

佼成病院では患者の長男が勝手に経鼻経管栄養の速度を速め、それを病院が把握できなかった。これに対して上告理由書は「患者には、少なくとも経鼻経管栄養の開始時間及び終了時間を記録するなどして流入速度が管理された医療を受ける憲法上の権利があると言うべきである」と主張する(5頁)。

佼成病院では長男の「延命につながる治療を全て拒否」に従い、Div(抹消点滴)を中止して経鼻経管栄養を再開した。しかし、経管栄養には吐瀉物が気管に入ることによる誤嚥性肺炎発症の危険がある。静脈栄養法に切り替え、回復が確認できるまでは経鼻経管栄養法を再開してはならないものであった(7頁)。

憲法13条違反(自己決定権)

最高裁平成18年10月27日判決(判時1951号59頁)「医師は、患者の疾患の治療のために手術を実施するに当たっては、診療契約に基づき、特別の事情のない限り、患者に対し、当該疾患の診断(病名と病状)、実施予定の手術の内容、手術に付随する危険性、他に選択可能な治療方法があれば、その内容と利害得失、予後などについて説明すべき義務」

佼成病院は回復可能性や余命についての的確な判断をしていない。利害得失の説明や家族の意思の確認など適切な説明を尽くしていない。キーパーソンと認識した者の意見を聴取するだけでは足りず、上記の通り、的確な情報を提供した上で、容易に聴取できる範囲の家族の意見を多く聴取して患者の真意を探求していない(11頁)。

憲法32条違反(裁判所における裁判を受ける権利、審理不尽)

裁判所が心証を得ても被上告人提出の唯一の反証の申出を却下することは違法である(大判明治33年6月30日民録6.6.174)。

高裁は上告人の証人申請を却下した。陳述書提出者を証人尋問して、その陳述書を弾劾することは唯一の証拠方法であった。それを却下し、陳述書に基づいた認定をしたことは偏頗な判断であり、公平な裁判所とは言えない。
http://beauty.geocities.jp/souzoku_nakano/demo.html
--
■ 林田力 Hayashida Riki
■■ 『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者
■■◆ http://www.hayariki.net/

0 件のコメント:

コメントを投稿