2017年7月2日日曜日

ハイエクと柄谷行人

希望のまち東京in東部市民カフェ第152回「ハイエク」のFacebookページで、ハイエクと柄谷行人について興味深いコメントいただきました。後で返信しようと思ったところ、埋もれてしまったので、こちらで書きます。

国家への問題意識としてハイエクと柄谷行人の共通性を見出す視点は賛成です。私にとって通俗的・教条的なマルクス主義と異なり、柄谷行人が読めるものである理由も、この辺りにあります。

その解がハイエクは個人主義、柄谷はアソシエーションと相違するとの御指摘でした。これはリバタリアンとコミュニタリアンという現代思想の対立状況の反映と見ることができます。

一方で私はアソシエーションにも市場主義的な面を見出しています。中央集権的なセンターの指令に基づいて動くのではなく、自生的な集団が自立的に動くという点で市場主義的です。金儲け第一主義が市場主義ではありません。戦後の日本は官僚主導経済の金儲け第一主義でした。個人の価値を実現するために中央集権的なセンターが配分するのではなく、個々人が最適と思う行動することが市場主義です。
この点でハイエクと柄谷を対立的に論じることには消極的です。ハイエクの個人主義が利己主義につながりかねない懸念についても、集団主義が「皆のため」「全体利益」「公共の利益」を名目にして故人を圧殺することを考えれば利己主義こそが防波堤になると考えます。

この是非を論じるためには、もう少し柄谷行人の読書会でアソシエーションについて掘り下げて欲しかったという思いがあります。私はアソシエーションに期待するところが大きかったのですが、具体的な話になると「経済構造そのものが資本主義から抜け出せないとアソシエーションの経済社会にならない」と上から目線の全体制度論になってしまいます。これでは革命でも起こさない限り状況は変わらず、一歩踏み出す議論がいつまでたってもできません。

何事も社会全体を俯瞰する視点を前面に出して論じなければならないか。この点がハイエクの大きな問いかけになると思います。少なくとも私は、この点がハイエクで頭を叩かれたところでした。今後の市民カフェでは現代の労働の実態を語る場を設けて、上から目線ではなく、自分目線で議論していければと思います。

希望のまち東京in東部市民カフェ第154回「東芝問題のその後と、半導体業界の働き方」
▼とき:2017年7月8日(土)午後2時~4時

希望のまち東京in東部市民カフェ第15x回「ブラック企業ノルマ」
▼とき:2017年7月22日(土)午後2時~4時
http://www.hayariki.net/tobu/

希望のまち東京in東部市民カフェ第152回「ハイエク」のレポートです。
希望のまち東京in東部市民カフェ第152回が2016年6月29日(木)、東京都江東区東陽の希望のまち東京in東部事務所で開催された。今回はフリードリヒ・ハイエクの思想を議論した。
http://www.hayariki.net/tobu/cafe78.html

--
■ 林田力 Hayashida Riki
■■ 『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者
■■◆ http://www.hayariki.net/

0 件のコメント:

コメントを投稿