2016年12月6日火曜日

高齢者治療中止佼成病院裁判控訴

高齢者治療中止佼成病院裁判の控訴状を2016年11月30日に提出いたしました。

平成19年6月私の母は、脳梗塞で入院しましたが、リハビリをするまでに回復しました。母は3か月後(同年9月)に転院予定のため、私(患者の長女)は転院先の施設を探していました。

� 私の兄(患者の長男)は、リハビリに行くのが遅くなる、との理由で経鼻経管栄

養の滴下速度を速めました。そのあと母は、嘔吐をして具合が悪くなりました。

・一審判決では、兄が経鼻経管栄養の速度を速めることは違法と認めました。そして被告長男が速度を速めたことで、「母親の嘔吐、誤嚥性肺炎、敗血症、急性腎不全」の経過をたどり、母親の死亡との因果関係については影響を与えた可能性は、否定できないとしました。

・また経鼻経管栄養終了後2時間経っているので、「嘔吐の原因は滴下を速めたことではなく体位変換の可能性もある」としました。

・一方病院に対しては、「被告長男(兄)が速めるなど予見不可能であった」としました。

� 佼成病院の担当医師は、患者本人(母親)の意思を確認せず、長男夫婦との話し合いだけで患者の治療を中止して酸素マスクもせずに命を縮めて絶ちました。

・一審判決では、長男が延命治療を拒否したことは認めました。長男の主張とカルテ

と食い違っているところは、カルテを認めました。

・一方病院には、母親は意思確認できる状態ではなかったとする理由を「自ら経鼻胃

管を抜去してしまうことがあり、経鼻管栄養の必要性について理解できていない様子

であった」としています。

� 私は母の死後カルテを見てはじめて母の治療が中止されていたことを知りました。

・一審判決では、病院が私(原告)の意思確認をしなかった点については、「キーパーソンを通じて患者の家族の意見を集約するという方法が不合理であるとは認められず、そのような方法をとることも医師の裁量の範囲内にあるとされる」としています。

・またその理由として判決では、以下の2つをあげています。

「医師が患者の家族の全員に対して個別に連絡を取ることが不可能な場合」

「延命措置には費用や介護の分担など家族の間で話し合って決めるべき事柄も伴う」

これらの理由は、いずれも頻繁に面会に行っていた原告の私には、当てはまっていないです。仮にも患者の一切生死の問題までをキーパーソンとのやり取りだけで、決めることを正当化できるものではないと思います。

また私は、「キーパーソン」という言葉は、裁判になって初めて聞きました。病院からは、「キーパーソン」についての説明はありませんでしたので、兄が「キーパーソン」であることも知りませんでしたし、また病院の言う「キーパーソン」とは、何なのかの意味は未だに分かりません。

� 担当医師が母の病室に来ました。病室には私と兄嫁だけしかいませんでした。医師は「今酸素をすればあと10日やそこらは生きられますよ」と言いました。兄嫁は即座に「酸素はやらない」と答えました。医師は「苦しそうに見えますが、いまはお花畑です。」と言って退室しました。兄嫁も退室しました。突然のことで私は何がなんだか分かりませんでした。私は、治療には最善が尽くされている、と信じていました。

・一審判決では、原告が積極的に意見を表明しなかったことを根拠にして病院を正当化しました。私は、兄夫婦が酸素(マスク)拒否していたことを知りませんでした。何も知らされていないのですから異議がでなかったことと、説明された上での同意とは違います。

�原告は、当時の医療水準を厚労省のガイドラインとしましたが、佼成病院では、治療中止にあたってガイドラインに沿った手続きがなされていません。

また佼成病院では、インフォームド・コンセントもなく、十分に話し合ったとは言えないですが、判決では触れられていません。

ガイドラインでは、「患者にとって何が最善であるかについて家族と十分に話し合い、患者にとって最善の治療方針を採ることを基本とする」と定めています。

佼成病院では、患者の命の扱いが軽すぎます。患者本人にとっては、人生最後の大事な場面をどう生きるかの選択の機会を、奪われたことになります。仮にも人の命を終わらせる大事な決定なのです。「高齢者の命が軽すぎる」のでは、と思いました。
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母の無念や、母に生きていて欲しかった私の無念さをくみ取る判決になっていないことが残念です。高裁期日が決まりましたならご連絡をいたします。引き続きご支援をお願いいたします。
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■ 林田力 Hayashida Riki
■■ 『東急不動産だまし売り裁判』著者
■■◆ http://www.hayariki.net/

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