2016年11月20日日曜日

立正佼成会附属佼成病院裁判

立正佼成会附属佼成病院裁判の判決が2016年11月17日、東京地方裁判所610号法廷で言い渡された。立正佼成会附属佼成病院裁判は患者の同意を得ずに、人として一番大事な命を処分された「命の自己決定権」の侵害を訴えた裁判である。

高齢者の命が医師の理念によって簡単に処分された。もし、患者本人の承諾なくして、治療を中止して命を絶つことができるのなら、患者はおちおち入院してはいられない。また、患者に死んでほしいと思っている家族にとっては、都合の良い殺人になってしまう。「姥捨て」には好都合である。

医療の主体は患者である。人格権として患者には、自分の体に行われることを知る権利がある。どのような治療を受けるのか、どのような死に方を選ぶのか、決めるのは患者本人である。患者には自己決定権がある。患者が自己決定の為に医師には、説明義務が課されている。あまり患者の権利は尊重されていない現状である。これからの医療のあり方を考える裁判である。

誰でも安らかな死を望む。医療は家族の都合や担当医師の個人的理念で行われるものではなく、患者本人の幸せのために行われるべきものである。高齢化社会にむけてこれからの医療のあり方を考える裁判である。

立正佼成会附属佼成病院裁判は東京地裁民事第35部(八尾和子裁判長、岩崎慎裁判官、石川絋紹裁判官)が担当した。傍聴席は満員になった。判決は原告の請求を棄却した。判決言い渡しに対して「えー」「説明して下さいよ」との声が出た。判決言い渡し終了後に弁護士会館509号室で報告集会が行われたが、そこでも「裁判官が説明しないことは酷い」との意見が出た。

判決は以下のように事案を説明する。「被告立正佼成会の開設する立正佼成会附属佼成病院で入院中に死亡した母親の相続人である原告が、母親は、同じく相続人である被告長男が経鼻経管栄養の注入速度を速めたことにより嘔吐して誤嚥性肺炎を発症し、被告長男がその妻と共に延命措置を拒否し、被告立正佼成会が母親及び原告の意思確認をせずに延命措置を実施しなかったため、続発した敗血症及び急性腎不全により死亡したものであると主張して、被告立正佼成会に対し債務不履行に基づき、被告長男夫婦に対し共同不法行為に基づき、損害の賠償を求める事案である」(2頁)

被告長男が経鼻経管栄養の注入速度を速めたことを違法とした(17頁)。

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経管栄養は医療行為であり、嘔気、嘔吐、腹部膨満や腹痛などの副作用や誤嚥性肺炎の危険もあるため、医師の指示に基づいて行う必要があり、病院では看護師が行うこととされており、患者の家族が行うのは自宅での例外的な場合に限られているのであるから、患者の家族であっても、医師の指示に基づかずに患者の経鼻経管栄養の注入速度を変更することは違法であるといわざるを得ない。

したがって、被告長男が8月15日に医師の許可なく母親の経鼻経管栄養の注入速度を変更することは違法であるといわざるを得ない。

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一方で判決は「立正佼成会にとって、被告長男が母親の経鼻経管栄養の注入速度を速めることを予見することは不可能であった」とした(18頁)。しかし、問題は病院が点滴をいつ始めて、いつ終わらせるか管理していないことである。病院にとって予見できないから責任がないとは無責任である。判決は口癖のように「証拠がない」と書くが、客観的な証拠がないことが問題である。
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