2016年11月13日日曜日

沖縄の自立と自由貿易論

自由貿易論への転換について興味深く拝読しました。沖縄人らしいとエールを送りたいと思います。これは先の私の沖縄の自立についての問題意識とも重なります、
沖縄の自立について歴史に学ぶとすれば薩摩の侵攻以前の琉球王国を先ず想起します。この時代の琉球王国は明の柵封体制下の中継貿易で繁栄したと説明されることがありますが、決してサクホウにぶら下がっているだけの存在ではありませんでした。遠くマラッカまで貿易していました。進取の気風にあふれる海洋民でした。
それを踏まえれば沖縄の自立と自由貿易論は何ら矛盾する話ではありません。TPPは自由貿易論から見ても批判できるものですが、その立場からTPP反対論を展開するならば、補助金農業的なTPP反対論とは一線を画すものになると思います。

薩摩の侵攻後の近世琉球を評価されることは決して悪くないと思います。近世琉球が薩摩に搾取されるだけの存在ではなく、後代の参考になる施策があるとの御指摘は大変勉強になりました。教条的なマルクス主義が幅をきかせている戦後日本では歴史を直線的に発展するものとみる進歩史観が優勢で、歴史から真摯に学ぶことを妨げています。故に近世琉球の優れた施策にスポットライトをあて、それを現代に活かそうとする姿勢は高く評価します。
その上で近世琉球には沖縄の自立という点で一つ問題があります。江戸時代は鎖国をしており、日本から見れば琉球は四つの口の一つとして貿易上特権的な立場を与えられていました。当時の日本商人には貿易が許されませんでした。必然的に沖縄経由の産品は高く売れました。近世琉球が豊かだったとすれば、日本商人にとっては不公正な制度によって成り立っていた面があります。
江戸幕府は琉球の経済的利益のために鎖国をした訳ではありませんが、結果的に琉球に経済特権を与えた形になります。ほとんど薩摩藩に搾取されたでしょうが、競争相手のいる自由貿易と比べれば高く売れることで琉球も剰余を得られたのでしょう。
これをそのまま現代で実現するならば利権となり、許されません。もし沖縄が自立するために、これに似たような日本からの何らかの外部補助が必要となるならば、それは一般の日本人の持つ自立イメージとは相違し、共感されにくくなります。沖縄の自立のモデルには薩摩の侵攻以前の琉球王国が相応しく、それに自由貿易論は合っています。
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■ 林田力 Hayashida Riki
■■ 『東急不動産だまし売り裁判』著者
■■◆ http://www.hayariki.net/

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